昔、自分が間借りしていた場

所を訪れてみたくなった。妻を誘うが断られ美容院のある北千住へ同行した。悔しいので棲んでいた頃の画像を貼り付ける。以前、使っていた二眼レフがオーバーホールされ戻ってきた。鞄に入れて持っていく。駅前で妻と別行動をとり東武線線路をくぐり旭町の商店街を行く。夕暮れで光が魅力的になっており、恍惚として歩いた。気が付くと蛇行した迷路に紛れこんでいた。夕方6時になったのでよい子のみんなはおうちへ帰りましょうとアナウンスが流れた。戻らなければいけない気分になり何度も同じ道を行ったり来たりしながら元の商店街へついた。荒川区へ引っ越す際、候補地として北千住が挙がっていた。あの迷い道を毎日行き来するうちに何かが変わっていく自分を想った。そして、馴らされていく。鞄から二眼レフが取り出されることはなかった。この重さは老体には何かのギプスのようだ。